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5  パラソル
更新日時:
2006.09.15 Fri.
彼はすでに数学の宿題を終えた
 
私なんてまだまだ途中
 
スピードが速いよ
 
 
宿題が全部終わったら
 
彼に会えなくなってしまう
 
もっとゆっくりやってくれないかな
 
 
「あーもう!よりによってこんな時に休むなんて!」
 
店の奥の方で店主さんが大きい声で独り言を言っていた
 
「パラソルまで手ぇまわんないっての・・・。」
 
 
パラソルの貸し出し
 
丁度良かったの
 
彼を遅らせるのに
 
 
「あの・・・。」
 
「何?」
 
英語のプリントをやる手を止めた
 
彼は話すとき必ず人の目を見る
 
まっすぐ
 
その視線が痛くて
 
俯いて話す
 
「あっ・・・あの、パラソルの貸し出しやらない?・・・困ってるみたいなの・・・。」
 
 
本当は自分のため
 
だからこそ、彼の目を見て話せなかった
 
 
「いいよ。」
 
彼はそんな私の気持ちを知らず、一緒に手伝いをした
 
 
「今日初めて。」
 
「えっ?なに?」
 
聞き返すと、ふぅーっとため息をついた
 
「お前になんか話しかけられたの。珍しい。」
 
そう言って、呼んでいたお客の方へ駆けて行った
 
 
 
 
近くに居ると
 
彼の一言一言で
 
好きな気持ちが膨れあがってく
 
どうしよう
 
 


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