夢のようなひと時の翌朝
ベットの上で
抜け殻のような私
「・・・本当・・・?」
まさか言われると思わなかった言葉
つい嘘だと思っちゃうよ
「・・・うん・・・。」
彼の一言が
そんな不安を取り払った
その言葉が濁っていたことに気づかなかった
でも、すぐ後に知った
自分がもっと早く言っていれば
勇気があれば
こんな性格じゃなければ
そんなの全部とっくに悔やんでる
これ以上何を悔やめばいい?
生まれたと同時に死の宣告をさせられた
そう、蛍のような
あの蛍達は
自分の運命を知ってもなお
綺麗に光り続けるのか
「・・・こんな風になるなら、出会わなければ良かったのに。」
「・・・え?」
言葉の意味が理解できなかった
今、好きだと言ってくれた人が
こんな悲しい言葉を口にするはずない
そう思いたかった
優しく包んでくれていた腕を離し
真剣に私を見つめる彼
「俺、この夏が終わったら、神戸に行くんだ。」
初めて、こんなにも人を好きだと思った
些細な事でも嬉しくて
幸せな気持ちになれた
思いが繋がった瞬間
それは最も望んでいた事
けど、
こんな切ない恋になるなんて思わなかった
私が想像してたのは
いつまでも2人笑っている姿・・・
そうだよ
悩んでたってしょうがない
私達に与えられた時間はわずかなのだから
せめて
彼と離れる時までは
精一杯輝いていたい
また、海へ走る
今度は、確かな覚悟を据えて
美しい橙色の夕日
着いてすぐに辺りを見回す
海の家のベンチに腰掛けていた
「・・・居た・・・。」
彼も私のことを見てる
そして走り寄ってきた
「・・・よく走るな。お前。」
それっきり何も言わない
何も、言えないんだ
私が話さなきゃ始まらない
「・・・昨日、“出会わなければよかった”って言ったよね・・・?」
「・・・うん。」
「私、今日1日考えたの。考えて・・・悔やんで・・・悩んで・・・。」
「・・・うん。」
「でも、“出会わなければよかった”って1回も思わなかったの。」
「・・・。」
「少ししか一緒に居れないけど・・・その少しの間だけでも幸せでいたいの。だから・・・」
「・・・一緒に居て・・・。」
私が1番言いたかった事を
彼に言われてしまった
すごく安心した
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